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![Hana](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/Hanaleft.jpg)
いよいよ入試の時期が迫ってきましたね!
![Taka](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/taka.jpg)
懐かしいね。
今では良い思い出です。
![Hana](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/Hanaleft.jpg)
藝大の入試は少し特殊。
どんな入試内容なのか徹底解説していきます!!
![Taka](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/taka.jpg)
受験生の方は是非参考にしてみてください。
受験をしない方も、特殊な入試に興味を持ってくれたら嬉しいです!
東京藝術大学の入試はサバイバル方式!?
![Ken](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/Kenleft.jpg)
まさにサバイバル!
体力のいる戦いです。
東京藝術大学の入試は殆どの専攻が、共通テストを除いて3回に渡って行われます。*
*作曲学科は4回、音楽環境創造科は2回など、専攻によっては回数が異なります。
詳しくは東京藝術大学公式入試情報ページから入試要項をご確認ください。
1つの試験が終わる毎に合格発表があり、通過した人だけが次の試験へと進める仕組みになっています。
大変なのはそれらが全て国立大学入試前期の日程の中で行われるということ!
2月下旬〜3月上旬の期間に、1次入試→発表→2次入試→発表→3次入試と、どんどん進みます。
そして毎年3月2週目あたりで最終合格発表が行われます。
![Taka](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/Takaleft.jpg)
では具体的に、それぞれの試験ではどのようなことが行われるのでしょうか?
と、その前に、音大受験の採点法について少し説明します!
音大受験の採点法は?
音大の実技試験は、1人1人の演奏を先生方みんなでじっくり聴いて、採点されます。
![Kanon](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/kanonleft.jpg)
芸術に点数をつけるのって難しいよね。
![Ken](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/ken.jpg)
その大学の先生に習っている受験生がいたら、有利に働くのかな?
![Hana](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/Hanaleft.jpg)
いいえ。
実はそうならないような採点方法になっています。
確かに、先生たちみんなで点数をつけるなら、その大学の先生に習っている子が有利になってしまう、と思いますよね。
でもそうではないんです。
多くの場合、音楽大学の入学試験は「1番高い点数」と「1番低い点数」を除いた残りの点数の平均で順位を出しています。
どういうことなのでしょうか?
例を見てみましょう。
A先生 | B先生 | C先生 | D先生 | E先生 | F先生 | G先生 |
70 | 80 | 85 | 90 | 100 | 30 | 55 |
上の表は受験生たかし君に、各先生がつけた点数です。
単純に平均点を出すと、72.85点になります。
しかしこれだけでは贔屓や好き嫌いが疑われてしまいますよね。
そこで、1番点数の高い先生(E先生)と、1番点数の低い先生(F先生)の点数を除外します。
すると平均は76点になりますね!
音大では確かに、その学校の先生に習っている受験生もいますし、芸術に点数をつけるというのも難しいことです。
しかし、このように贔屓や好き嫌いが出ないような採点方法を取っている学校がほとんどです。
安心して試験に臨んでくださいね!!
ではお待たせしました!
各試験について解説していきます。
1次試験では基礎力を見られる!
3回の試験の中で、専攻実技に関わる試験は「1次試験」「2次試験」の2回です。
では1次試験を通過する受験生の基準はどのようなものなのでしょうか?
![Tokine](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/Tokineleft.jpg)
超絶技巧が弾けたり、高い声を出せたりしなければ、
1次試験も通らないんじゃないかなあ。
![Hana](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/hana.jpg)
それが実は、そんなことないんです!
技巧的なことができなくても1次に通る可能性は大きい!
各専攻によって試験の内容は異なりますが、共通して言えることは、
1次試験では入学に必要な基礎力があるかどうかが見られる、ということです。
前述した通り、藝大の試験は先生たちみんなで1人1人の演奏をじっくり聴き、丁寧に採点されます。
しかし、30分〜40分に及ぶプログラム(専攻によって異なります)を志願者数分見ていたら日が暮れてしまいますよね!?
そのため、まず1次試験では、そのようなプログラムを見る価値があるかどうかを見極められます。
弦楽器・管楽器の試験では、スケール(音階)の演奏や、短めの曲が課題として課され、2次試験に進むための最低限の技術があるかが見られます!
そのため、超絶技巧や、類稀なる表現力が必要になるわけではありません。
1次試験は丁寧に、確実に取っていきましょう!
2次試験は熾烈な戦い!?
1次試験では、スケールや比較的難易度の低い曲を確実に演奏するといったものでしたが、2次ではほとんどの学科で「自由曲」を演奏することになります。
コンチェルトや、自分の実力をアピールできるような曲を選ぶ人が多いです!
![Kanon](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/kanonleft.jpg)
みんな個性が現れるから、1次試験以上に技術や表現力に差が出るよね!
時間も1次試験より長くなる場合が多いので、曲全体を通しての構成や解釈というのも気をつけなければいけません。
まさに2次は熾烈な戦い、ここで入学に相応しい技能があるかどうかが見極められます!
しかし、アピールが必要とはいえ、無理は禁物です。
難易度の高い曲を弾いた人が勝ち!というわけではありません。
高い表現力や曲の解釈、空気の作り方も含めて、演奏のクオリティが決まります!
緊張する試験の中でも落ち着いて弾ける、そして自分の良さが存分に現れる曲を、是非探してみてください!
3次試験では音楽基礎能力をテスト!
1次試験・2次試験では専攻実技の技能テストをしました。
では3次試験ではどのような試験が行われるのでしょうか?
![Ken](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/Kenleft.jpg)
3次試験はほとんど全部の学科が同じ試験を受けるよ!
具体的に見ていきましょう!
聴音書き取り・リズム課題・新曲視唱 | 楽典 | ピアノ初見演奏 | コールユーブンゲン | 面接 |
邦楽・指揮・音楽環境創造科以外 | 音楽環境創造科以外 | 作曲科のみ | 声楽科のみ | 作曲・邦楽・音楽環境創造科のみ |
3次試験の試験内容は上の表の通りです!
これらは音楽の基礎知識、基礎能力を測るためのテストで、正直入試ではあまり重要視されませんが、訓練にはとても時間がかかります。
具体的にはどのような問題が出るのでしょうか。
過去問題はここには載せられないため、こちらの大学公式サイトから、過去問題をチェックしてみてくだい!
聴音書き取り
これが最も訓練に時間のかかる!とても大事な科目です。
「聴音書き取り」というのは、その名の通り、聴いた音を楽譜に書くというものです。
東京藝術大学では、3種類の聴音問題が出ます。
・単旋律
1つの旋律を書き取ります。長さは8小節ほど。
ほとんどの場合最初と最後に1回ずつ通す他、前半と後半に分けて2、3回ずつ弾いてくれます。
旋律が1つだけなので得意な人も多いですが、リズムや音の飛躍は一番複雑です。
・副旋律
2つの旋律が同時に流れます。長さは同じく8小節ほど。
これも単旋律と同じように通し2回+前後半が2、3回ずつ流れます。
2つの音が流れる代わりに、リズムは単旋律ほど複雑ではありません。
苦手な人はやや多め。
・4声体聴音
4つの音が同時に流れます。長さは8小節ほど。
4つ!?と思いますよね!でもリズムは全て2分音符。
音の飛躍もないので得意な人は得意。
しかし、やはり4つの音が同時に流れるので、苦手意識がある藝大生もとても多いです。
新曲視唱・リズム課題
これらの試験は同時に行われます。
どちらも当日に渡された8小節ほどの楽譜を見て、小部屋で数人の試験官の前で歌う、というものです。
![Hana](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/Hanaleft.jpg)
リズム課題は名前の通り、新曲視唱に比べてリズムが複雑ですが、音程をつける必要がありません!
難しそうですが、楽譜を渡されて即座に歌うわけではありません。
まず、自分の番が来たら「予見室」というこれまた小さい部屋に案内されます。
そこで、新曲視唱の楽譜とリズム課題の楽譜が渡されます。
予見時間は2つ合わせて2分、という年が多いです。
どちらを何秒やるか、その比重は自由です!
メトロノームが配られて、事前にテンポを確認することもできます。
しかしピアノを使ったり、実際に声を出してみることは厳禁です。
あくまで脳の中だけで予見しましょう!
![Ken](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/Kenleft.jpg)
テンポ感の優れている人でも、緊張で心拍数が上がると、本来持っているテンポ感が崩れてしまうよ!
必ず事前にメトロノームで確認しよう!
![Tokine](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/tokine.jpg)
ちなみに!
声楽科の新曲視唱は伴奏付きだよ!
コールユーブンゲンという声楽科だけの試験もあるから、今度詳しく説明するね!
楽典
これは音楽の基礎知識を測るテストです。
音楽記号がわかっているか、和音の仕組みを理解しているか…など、様々な問題が出ます。
これも準備には時間のかかる科目!
どんな傾向の問題が出るのか、事前に過去問でチェックしておきましょう。
Pandripでも、楽典の対策としてinstagramやtwitterで音楽クイズを実施しています。
是非フォローして、挑戦してみてください!
各試験の比重は?
これに関しては、大学が正式に公表しているものではありません。
しかし、かなり有力な情報として、音楽予備校やソルフェージュ教室でよく言われている比重のルールについて書いていこうと思います!
例えば、1次試験の点数が2次試験以降の順位にも影響があるのか、気になりますよね。
![Hana](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/Hanaleft.jpg)
私は1次試験の感触が悪かったから、影響しないでほしいなって思ってた!
あくまで予備校や、受験対策の先生方が仰る情報で、大学が公表している事実ではありませんが、
ほとんどの学科で1次試験の点数は、それ以降の順位に影響するそうです。
ではどのように影響するのでしょうか?
1次試験 | 2次試験 | 3次試験 |
1次の点数 | 1次+2次の点数(2次の方が配点高め) | 2次までの順位+α |
まず1次試験は当然、1次試験の点数で順位が決まりますね!
では2次試験はどのように順位を出すのでしょうか?
2次試験は、1次試験と2次試験の合計点で順位が出ると言われています。
しかし、2次試験の方が試験時間も長く、演奏の幅も広がります。
そのため、2次試験の配点が高くなるそうです。
では3次試験の結果はどのように影響するのでしょうか?
実は3次試験の結果は、ほとんど重視されません。
大事なのは、その専攻の実技点数がどれだけ取れているかということです。
まず、1次と2次の点数で順位を出した後で、
「定員人数までの生徒の中で、3次試験や共通テストであまりにも点数の低い生徒はいないか」というのをチェックします。
問題なければ2次までの順位がそのまま採用されるそうです。
とはいえ、油断は禁物!
せっかく実技で順位が良いのに、3次で落とされてしまうのは勿体無いですよね。
3次試験は準備に時間もかかるので、早めから対策しておきましょう!
最後に
本日は東京藝術大学音楽学部の入試内容について紹介しました。
いかがでしたか?
今回紹介したものは、東京藝術大学公式入試サイト(令和3年度入試まで)と、音楽予備校の先生方からの情報をもとに作成しました。
しかし、試験内容は毎年同じとも限りません。
ある年にひょっこり変わることもあり得るので、受験生のみなさんは定期的に大学公式サイトをチェックしてみてくださいね!
実技試験まで残り約1ヶ月。
大変な時期ですが、やっぱり1番大事なのは健康です!
![Taka](https://pandrip.com/wp-content/uploads/2021/11/Takaleft.jpg)
よく寝て、よく食べて、よく練習してください!
次回は各専攻の入試をもう少し掘り下げて記事にしようと思っています!
是非楽しみに待っていてください!
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